統一イタリア初代首相・カヴールと「バローロ」

カミッロ・カヴール (Camillo Cavour 1810〜61)は、ピエモンテの名門貴族の子としてトリノに生まれる。サルデーニャ王国の商務相、大蔵相、首相と上って行く前は、実業家として金融や鉄道事業に携わっていた。自分自身の領地をバローロ地方のグリンツァネに持っていたこともあって、農業経営にも熱心で、進んだ農法を学ぶため英国に赴いたこともあった。
彼は、フランスのワイン学者・ルイ・ウダールを招いて、それまでのかなり甘口になる不安定なバローロのワインの改良に乗り出し、色の濃い、辛口の強い長期熟成に耐えるワインを造り出した。ネッピオーロ種の持つ能力を十二分に発揮させた今日のスタイルの基を築いたと言われている。
ワイン学者・ルイ・ウダールは、ピエモンテの他のワインの改良も手がける。
カヴールの改革を熱心に支援していた国王は、バローロ地方の中心地セツラルンガ・タルバの丘にある立派な狩猟用の館を、革新的な新しいワインを生み出す場所として提供している。カヴールは、統一イタリア国家創建の英雄であるが、ピエモンテのワイン造りの近代化の礎を築いた立役者でもあった。