近年、イタリアではIGTのカテゴリーのワインであるが、高価格で売られ、人気を集めるワインが多く生まれた。 これは1968年、トスカーナ中部の海岸に近い地域で造られた「サッシカイア」が登場した事に始まる。
「サッシカイア」は、国際品種を使い、DOCやDOCGの規定外の造り方をしたワインである。世に出ると、その品質の高さで、たちまち人気を博し、内外の市場で高い評価を受けた。この成功が一つの潮流を作り、「スパーIGT」と呼ばれる数多いワインを生み出していった。国際品種(赤ではカベルネ・ソーヴイニョン、ピノ・ネロ、メルロー種、白ではシャルドネ、ソーヴイニヨン・ブラン種)を使ったものが大半であが、地元の伝統品種とこれらのブドウを組み合わせたワインも造られている。生産量を抑え小樽での熟成を行うものが殆どである。

Sassicaia

これらのワインは、DOCやDOCGの規定外の造り方をしているので、最初は「VdT」のカテゴリーに入れられていた。しかし、「一定地域のブドウを使用していることから「IGT」に組み込まれるようになった。(中には「サッシカイア」のようにDOCに認められたものもある。-1992年産より<ボルゲリDOC>-)。 価格は日本でも、かって二級酒の位地付けで、高価格な清酒が売られていたのと同じ様に、生産量が少ないこともあって、高価になり、DOCGワインよりも高い価格で売られているものが少なくない。

こうして、「スーパーIGT」と呼ばれる一部のIGTワインの出現により、もともと種類が多く、分かりにくいとされるイタリア・ワインがさらに解りにくくなったことも事実である。
従って、当Webでは、この種のワインを別格に取扱い、以下に、州別に、主要なワインをリスト・アップした。イタリアを南北3つにページ分けしたが、トスカーナはこの種のワインが最初に生まれた地域で数も多いから、別に設けた。リスト作成に当たって、林茂著「最新・基本イタリアワインー増補改訂第3版」を参考にさせて頂いた。

 

 

ワイン本・最新基本イタリアワイン
「最新 基本イタリアワイン」
発行:阪急コミュニケーションズ

1996年、この本の初版が発行されるまでは、日本人著者による本格的なイタリアワイン本は、塩田正志のものだけだった。初版発行当時、イタリアワインの人気の高まりと共に、情報に餓えていた人が飛びついた。
内容といい、読みやすさといい、イタリアにシェフ修行に行くプロもこの本を持って行くと言うのもうなずける。
2006年、増補改訂版が発行され、今や、イタリアワイン本の定番と言っていい。

著者:林茂
1954年、静岡県生。1978年、埼玉大学卒、サントリー(株)入社。82~86、90~99、通算13年間イタリア勤務。2005年、 コンサルティング会社「SOLOITALIA」設立、代表取締役就任。
日伊食文化交流の貢献により「カテリーナ・ディ・マリア・メディチ賞」受賞。
著書:「基本イタリア料理」TBSブリタニカ、「イタリアワイン講座」飛鳥出版、「イタリア式 少しのお金でゆったり暮らす生き方」講談社など多数。